青梅雨の脳病院が出す薬
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先日の、青のフロント句会での席題「薬」で作った一句。
遅刻して行ったので5分ほどで作らねばならなかったため、
ほとんど直感。
1週間ほど降り続いた雨模様と、陰鬱な気持ちが結びついて
ふっと「脳病院」という単語が浮かんできたのです。
以前、俳句を始めた頃に、70代半ばだった先生的存在
(今生きていれば、90代かな?)
の方の句に、時々登場したのが「脳病院」でした。
その怪しげな語感がずっと残っていて、
わたしもいくつか「脳病院句」を作ったことがあります。
今回、句評していただいて初めて知ったのですが
「脳病院」って、今は使っちゃいけない言葉なんですね。
現在は精神科、精神病院というのが一般的なのでしょうか。
(でも、これじゃあ句に読みにくい・・・)
実際、歌人でもあった斎藤茂吉が青山脳病院の院長を務めたり、
芥川や太宰、高村智恵子も脳病院を受診したことがあるそうで、
そんなことからも、この言葉から「文学的な香り」が滲み出ている
のかもしれません。そこに惹きつけられたのかも。
薬つながりで、こんなのも作ったことがあるのを思い出しました。
流星を集めて閉じる薬箱 優理子
こちらは、もう少し、メルヘンがある感じ。
でも、この「薬」も肉体的な病ではなく
こころのほうの病をイメージして作ったものです。
2014.06.16 13:54 | 句会&大会&日々の句 |
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